神出鬼没の変態紳士「やまさん」が贈る脳汁全開コラム。日夜「取材」と称しホール徘徊に勤しむ高純度のスロ中毒者。もしかすると、今夜あなたのホールに訪れるかもしれません。
「紳士的賭博観測記録」
vol.32(06.12.23 UP!)
【フェティシズム】
師走らしく、仕事の忙しさもピークに達する今日この頃。徹夜に続く徹夜により、睡眠時間50%カットという名の死神が毎日のようにやってきます。
家に帰ってテレビをつけると、なんだか試験電波がどうのっていう街の風景画面しか流れていませんし、下手をすると朝イチのニュース番組が放送されている有様。
もはやココロもカラダもポンコツ状態。現実世界に精神を保つことも次第に困難になり、一瞬でも気を許してしまうと現実逃避へと旅立ってしまっているようです。
考えなければならないことは山積みだというのに、脳内を巡るのは下らないことばかり。「宝くじが当たったらどうしよう」とか、「ジャグラーのペカリの相対性理論とは?」とか、「ABCの次にはDがあるはずだ。きっと、とんでもないプレイに違いない!」とか、もうね、ダメみたい…。
あ、そういえば宝くじ買ってませんでした。億万長者になってとんでもないプレイをするという、狂おしい程に狂った妄想ストーリーをたっぷりと、そしてネッチリと書き綴ろうと思っておりましたが、それも無理な話になってしまったようです。
一体、何を楽しみに年末を迎えれば良いというのでしょうか。正月番組は屁が漏れてしまうくらいにつまらないですし、パチンコ屋は親の仇と言わんばかりに鬼回収していますし、初売りに行けば溢れかえる人混み山の如しです。案外正月というものは面白くないものかもしれません。
そんな寂しさの中、ふと顔を上げると見に飛び込むのは、私のデスクに設置されたMacの上に鎮座されておられます「おブタ様」の数々。置物やらぬいぐるみやら貯金箱やら…。一体、神聖なる職場をなんと心得ているのか、と疑問符だけが飛び交うブタさんワールド。
えぇ、そうです。私の趣味です。知人からは「ブタフェチ」と噂されるほどに、ブタに対して狂おしい程の情念をもっているようです。
少し前に、ブタをペットにする人が急増中だとかなんとかってテレビで見たことがありますが、間違ってもそのようなブームだか島唄だかの類いではありません。その辺のオツムの弱い女子供とは一味違うのです。
突然ですが、力石徹という名前をご存知ですか? 週刊少年マガジンに1968年1月1日号から連載された大ヒット漫画「あしたのジョー」に登場するボクサーです。
この作品にまつわる有名すぎるほどのエピソードが「力石徹の葬儀」。これはあの寺山修司の呼びかけで行われたもので、漫画のキャラクターが作品中で死んだことに対し、現実世界で実際にお墓をたてたり、ファンが集まったりしたのです。当時の「あしたのジョー」に対する注目度はとても大きかったのでしょう。
しかし、私には彼を許すことができないのです。主人公である矢吹丈が少年院を脱走するシーン。丈はブタの大群を暴走させ、その一頭にまたがり脱走を試ます。しかし力石はそのブタ達を片っ端からボコボコに殴り、その脱走を阻止したのでした。
どうですか、ブタを殴るなんて許せませんよね。もっとも、私たちはそのブタをむしゃむしゃ食べているんですから、彼を責めるのもおかしな話なんですけどね。
そんなこんなで、「ブタフェチ」と噂される私なのですが、確かにブタに対する愛着のようなものはありますが、「フェチ」っていうのは如何なものでしょうか。
そもそも「フェティシズム」というものは、人類学・宗教学・経済学・心理学などそれぞれ解釈が異なるものです。言語が腐りきった現代日本においての「フェチ」は、心理学でいうところの性的倒錯や変態性欲をベースにした「単なる性的嗜好」くらいのものでしょう。
はっきり言ってしまいますが、この「フェチ」というのは俗語であり、本当の意味合いからすれば誤用になります。異常なまでの性的対象の歪曲があって初めて「フェティスト」と認定され、PTAから賞状と勲章が授与されるわけなのです。
安易に「僕はメガネフェチ」と言うイカ臭い殿方がいますが、メガネを装着した対象でなければ性行為が不可能になるわけではないでしょう。あくまでも性行為がメインディッシュであって、眼鏡は前菜くらいのものではないのでしょうか。
メガネ単体に欲情したり、メガネの相沢の看板を見ただけで教師びんびん物語になったり、メガネ・めがね・眼鏡・MEGUMIという活字でもイケたりすると、それは立派な「フェティシズム」。
残念なことに、私はブタで教師びんびん物語にはなりませんので「フェチ」というには程遠いのでしょう。単なる「ブタ愛好家」程度にしておいて下さい。まぁ賞状も勲章も貰えませんけどね。
いつから愛好家だったのかは良く覚えていませんが、小学生初期に読んだある本が関係しているのかも知れません。私は幼い頃から外で遊ぶことよりも図書館が好きというインテリジェンス溢れるガキだったのです。「友達おらんのじゃろ」などの詮索はしないで下さい。
びしょびしょになる程にインテリジェンスが溢れ出した私は、日課である読書のために図書館へ行く毎日。その辺のハナタレとは違い、知性漂う小学生ですので読む本にもこだわります。一つ、ひらがなで大きくかかれた絵本しか読みません。二つ、可能な限りぶっ壊れたストーリーを好みます。これは今でも全然変わっていません。
この厳しすぎる審査を通過できる作品は少なく、多くのものは表紙で失格でした。いつになっても心を許せる作品に出逢えず、半ば諦めかけたその時に見つけたのが「はれときどきぶた」という作品。
表紙を見た瞬間、「狂っている」としか思えませんでした。表紙を飾るのは、黄色の傘を差したおにぎりみたいな男の子。丸文字で書かれたタイトルの下には宙に浮いたブタが鎮座しておられます。まったく意味不明にも程があります。
内容も負けないくらいホット。主人公である畠山則安が未来の日付で日記を書くと、それが現実になってしまうという荒唐無稽かつ世にも恐ろしいファンタジー・ストーリー。
しかも続編があり、「あしたぶたの日 ぶたじかん」、「ぼくときどきぶた」など、どこまでブタにこだわれば良いのかと問い詰めたい。
実はこの作品、アニメ映画やテレビアニメも制作されており、海外進出まで果たしているというから驚きです。まさにクレイジー・サムライ。「sometimes pig! Waoooo!!」とか言っていたらバカ丸出し。
まぁ、そんなこんなでブタ愛好家になってしまったのですけど、一昔前までは「ブタが好きだ」などと言おうものなら周りから変態扱いされていたものです。ところが、昨今のブタブームにより、ブタ愛好家に対する認知度も上昇傾向にあるようです。
「え? なにそれ、きもい」とか言ってたのが、手の平をグルングルン返しに返しまくって「キャー、ぶたちゃんカワイー」とか言うんですよ。いやはや流行りって恐ろしい。
そういえば小学生時代、ちょっと丸い女子に、「ブタみたいでカワイイよ」とか褒めてあげたら、ボコボコに殴られましたっけ。女心って難しい。
しっかり睡眠をとりましょう。バカになります。
取材ホール/なし
プレイ機種/なし:取材投資なし 回収なし
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