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紳士的賭博観測記録
神出鬼没の変態紳士「やまさん」が贈る脳汁全開コラム。日夜「取材」と称しホール徘徊に勤しむ高純度のスロ中毒者。もしかすると、今夜あなたのホールに訪れるかもしれません。
「紳士的賭博観測記録」 vol.40(07.02.16 UP!)

【忘れられない想い】

前回のコラムで「怖いもの」に触れてしまったため、今でも背後に何かが居るような気がしてなりません。これではおちおちエロDVD鑑賞を愉しむこともできません。

やっぱりね、こんなチキン野郎な私こそチキンのイメージキャラクターに相応しいと思うのです。はやくあのオジサンと世代交代しなければなりませんね。「短いけど太い! やまさんトルネード」みたいな商品でヒィヒィ言わせてやりたくてたまりません。きっと、ここのイカレた読者の方もお喜びになること必至。

まぁそんなこんなで、いい歳してオバケ嫌いなオッサンがここに約1名いるんですけどね、やっぱりオバケは怖いんですよ。オバケを信じる訳ではないのですが、やっぱり怖いものは怖い、これは仕方ありません。

どうしてこんなに怖いのか。これは幼少期の体験によるものかも知れません。

皆様は「水木しげる」という方をご存知ですか? 数少ない同郷の有名人の中で、一位二位を争う人物が漫画家「水木しげる」氏なのです。「ゲゲゲの鬼太郎」で有名ですね。私は幼き頃、この作品が大好きでした。漫画だけではなく「妖怪図鑑」なるものも持っていました。

作中に登場する幾多の妖怪達、幼き私はこれら全ての妖怪達は存在するものだと思っていました。なんだか良く分からないけど、物を粗末にすると「もったいないオバケ」が出て来るから物は大事にしよう、とか自分に言い聞かせました。あれ? これはなんか違うような…。まぁいいか。

妖怪ワールドについて寝る間も惜しんでアレコレと考えていた幼少期。そして、この汚れ無き天使のようなハナタレボーイを恐怖のどん底に突き落とすような事件が起こるのです。これは、後の人生に多大な影響を与えたであろう、重大で忌わしき記憶です。きっと、私はこの出来事を忘れることはできないでしょう。


ある夏の日。

夏と言えば「夏休み」。一ヶ月と少しという長い休みに心躍らせ、「夏の友」だか「夜の友」だか意味不明な宿題をそっちのけで遊び呆けていました。これでもか、これでもかと言うほどに遊び狂う日々。遊ばなきゃ狂っちゃう、いや狂っているから遊ばなきゃ。

そんなこんなで、この日も朝っぱらから昆虫採集のために山奥まで行きました。カブトムシやクワガタの生態形を研究するために、雨にも負けず風にも負けず、宿題にも負けずに昆虫採集に励んでおったのです。

いい感じで採集も進み、お日様が高くなる頃にはお腹はペコペコになります。腹が減っては戦はなんとやら、ということで一旦帰宅。今日のお昼は何かな? 寿司が食いてぇなぁコンチクショウ! などと自宅に到着すると、お決まりの「そうめん」でした。

暑い、暑いと言いながらそうめんをすすっていると、「午後はなんちゃら、おもいっきりファイナルアンサー」とかなんとかっていうオバサン向け番組をやっていました。ガキンチョの私にとってはクソみたいにつまらなく、兄に「はやく虫採りしよう」と言って出発を促します。

「待て、この後がおもしろいんだ。」

「え? なになに? おもしろいの? みるみる!」

期待にドキがムネムネしながらテレビジョンにかじりついていると、なにやらスタジオが急にくらくなり、異様な雰囲気を醸し出しています。これが本当に面白いものなのか、と不安を覚えましたが、不幸にもその不安は一瞬で的中したのです。

「あなたの知らない世界」

ぎゃーーー!! タイトルの声だけでも怖いーーー!! フォントも怖いーーー!!

この番組は1988年〜1994年まで、夏休み時期の特別企画として放送されたものです。一般の方の恐怖体験を再現ドラマとして放送し、それを怪しい霊能者が解説するという正気の沙汰とは思えない番組だったのです。

お昼の時間帯に、しかも楽しい夏休みをブチ壊すかのような恐ろしい番組。もちろんこれっぽっちも見たくはなかったのですが、家族全員が「絶対見る、お前も見ろ」なんて言うんですもの。末弟である私の力なんてペットの犬同然。逆らえるはずがありません。

「電気消すよー、雰囲気出るでしょー。」

要らん気を効かすな、バカヤロー!!

テレビがある部屋は家の構造上、光が射し込まない造りだったので、電気を消してしまうとお昼だというのに真っ暗。テレビ画面の光だけが家族の顔を映し出していましたが、全員目をキラキラさせながら鑑賞していました。もちろん、私以外の全員が…。

BGMのトーンが変わり、なにやらオドロオドロしいシーンへと移行していきます。いかにも「来る、来る、怖い場面が来ちゃうー!漏れちゃうー! アヒィー!!」と思わせる演出であり、私はとっさに座布団を手にしました。

そして画面一杯に映し出された気味の悪いオバケ。私は悲鳴と共に頭から座布団をかぶり、シーンの移行を心から願いました。真面目に宿題をやりますから、どうか、どうか早く終わって下さい。は、早く、早く終われバカヤロー!!


「お、お、おおお兄ちゃん、怖い場面は終わった?」

「あぁ、終わった。もう顔を出していいぞ。」


胸を撫で下ろしつつ座布団を外し、そっと画面に顔を向けました。まだ音楽がオドロオドロしいことに違和感を覚えたのですが、時すでに遅し。


ぎゃーーー!! まだ終わってないーーー!!


もうね、恨みましたよ、兄貴を。今でも根にもっています。「そんなことで…」とお考えのあなた、彼の暴挙はこれだけでは終わらないんです。


どしゃ降りのある日のことです。小学校からの帰り道、急に降り出した雨でずぶ濡れになって帰りました。夕方だというのに薄暗く、ド田舎であるために人の気配もありません。

そんな寂しい中、家に着くと家族はだれも居ませんでした。車もありませんし、靴もありません。一人でいることには慣れていましたので、別になにも感じることなく玄関を開けたその時です。

「●ぁ〜●ぁ〜●ぉ〜〜〜」
(※オタマジャクシではなく、もちろん精子でもなく私の名前)

私の名前を呼ぶ、低くかすれた声。そして何度も呼び続けるその声に全開ビショビショ。一目散に家を飛び出しました。家の前でずぶ濡れになりながら母の帰りを待つ事およそ二時間。ビショビショだった下半身は、すっかり雨に洗い流されたみたいでホッとしましたけどね。

結局、この出来事は兄貴の悪戯であり、ますます恨みは募っていくばかり。なんとか復讐を思案するも、仕返しが怖くて大それたことはできませんでした。唯一実行したことと言えば、干してあった兄貴のTシャツの首部分を、力一杯伸ばしたことくらい。

でも、あれほどまでの恐怖体験を、Tシャツ一枚で清算することなんてできませんよね。やっぱりあの時のことは今でも忘れられません。



他人のTシャツを伸ばす事は非道な行為です。ダメ、ゼッタイ。




取材ホール/T県H町:【Y家】自宅にて
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