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「紳士的賭博観測記録」 vol.68(07.09.14 UP!)
【人と人とを結ぶもの】
趣味とは、人生を豊かにする最高のヒマつぶしである。―変態紳士―
冒頭から偉そうな事をぬかしていますが、最近、私はこんな風に思うんです。ですから、趣味に対しては、貴重な時間やお金を注ぎ込む価値があるわけなのです。
ここの読者の大半は、「パチスロ」が趣味なのでしょう。私ですか? 私は「趣味」を通り越して「病気」になっていますけどね。ほっといて下さい。
先にもあげましたが、趣味とは「人生を豊かにする」という事が重要なわけで、私にとって現状のパチスロとは、人生を台無しにするもの以外の何者でもありません。
だってね、いくら千円札をジャブジャブと突っ込んでも、一向にペカる気配を見せないんですもの。たまには勝たせてください、本気で。
ところで、趣味というと、それは遊びのように感じます。まぁ、もちろん遊びなわけなんですが、それも極めるとプロフェッショナルになるんです。そのプロフェッショナルな人に対し、趣味として取り組んでいる人を「アマチュア」と呼びますね。
そして、アマチュアがある程度のめり込んでくると、なんだかプロに対して憧れのような感情を抱き始めるんです。
「お金を稼げるほどの高度な技術、かっこいい」
「好きな事をして生きていられる、かっこいい」
「有名になって美人と結婚できる、かっこいい」
まぁ、簡単に言うとこんなところでしょうか。
ちなみに、たいして趣味も無い私において、唯一の趣味であろうかという存在、それは「エロDVD鑑賞」なんですけど、これについては私はアマチュアなんですよね。
何がアマチュアなのかは分かりませんが、オ●ニーの国家資格を持ったプロではありませんし、撮影・編集をする制作のプロでもありません。単に、鼻息を荒げてテレビの前で勃ちつくすだけの、そんなちっぽけな存在です。
私が中学生の頃はDVDなんてものは無く、ひたすらエロビデオばかり鑑賞しておりました。それこそ、再生しすぎてテープが「びろ〜ん」と伸びるまで何度も何度も繰り返し見ました。早送りするポイント、スロー再生するポイントも完璧にマスターし、違うマスターもする訳なんですけど、当時はAV男優と呼ばれる職業に憧れていましたよね。
「あんなコト、こんなコトができる!」
「とにかくデカイ!!」
「(物理的に)長い!!! (時間的に)長い!!!」
とまぁ、こんな風に考えていたんですけど、私と同じような考えを持つ少年も多かったことでしょう。
しかし、今の私は思うのです。
趣味としてエロDVDを鑑賞する分には「楽しい」で済みますけど、これを職業としてしまうと、途端に「楽しくなくなる」のではないかと。「やりたい」と思う純粋な心が、「やらなくては」という責任に飲み込まれてしまうのではないかと。
今まで楽しかったエロDVD鑑賞。DVDショップで二時間ものあいだ悩んだあの時間。パッケージのビニールを開ける瞬間の胸の高鳴りと、そのせいで上手く開けられない苛立ち。そして、予想以上に大きなモザイクがもたらす絶望感。
良くも悪くも、そういった甘酸っぱい感情が、遠い過去のものとなってしまうのです。
やっぱりね、趣味は趣味として、大切にしておくことも重要なんです。それに、趣味を通じて交友が生まれる場合も意外と多いものです。
趣味という共通点が生み出す交友というものはとても不思議なもので、歳の差、性別の違いがあったとしても、その趣味ひとつがきっかけとなって人と人とを結びつけることがあるんです。
例えばね、私が駅前の「なんとかホール」でピカゴロウばかり打っているじゃないですか。低設定と分かっていても、毎日3,000円づつ打ち続けるのです。
そうすると、決まって夜9時から10時までの一時間だけ、ピカゴロウを打つ女性「ヨシコ」がやって来ます。そんな二人の物語をどうぞご覧ください。
―――私は、今日もピカゴロウを打っている。
ここ数日の間で、ある事に気付いた。夜9時になると、ある女性がピカゴロウのシマにやってくるのだ。そして、決まって10時になると帰っていく。
そんな日が毎日のように続いた。そうすると、相手のことを意識するようになるのは必然なのかも知れない。
今、私はピカゴロウを打つために来ているのか、それとも、ヨシコを待つために来ているのか、少しづつ変わっていく自分の心が分からなくなっていった。
―――ある日の夜、ヨシコは店に来なかった。
私も、恐らくヨシコも社会人である。残業のためにホールへ行けない日もある。ヨシコにだって、都合の悪い日もあるだろう。
しかしなぜだろう。言葉を交わしたこともない相手なのに、得体の知れない寂しさが心を覆う。
いつもなら心がときめくはずの小役ナビの提灯が、今夜は私を嘲笑うかのように光った。
―――二日ほど徹夜が続いた翌日、夜の8時には仕事を切り上げた。二日ぶりにピカゴロウを打つために、いつもの「なんとかホール」へ急ぐ。
「待たせたな、ピカゴロウ。今夜は期待しているぞ」
そう心の中でつぶやき、打ち始めること3,000円。告知ランプは右端で止まり、久しぶりに打つ私を祝福するかのようだった。
そして9時になり、私の左隣に女性が座った。ヨシコである。
右手がサンドに伸びた時、彼女が静かにつぶやいた。
「…よかった」
ヨシコもまた、私と同じように、相手が来なかった日を寂しく思っていたのだった。
私は、伸ばした彼女の右手にそっと左手を重ねた。
「ヨシコ…」
「変態さん…」
手と手を重ね、見つめ合う二人。
「今夜は、10時を過ぎても良いかな?」
「えぇ、もちろん」
そして繁華街に吸い込まれるように消えて行く二人のシルエット。
「もし、俺達に子どもが生まれたら、〈ピカゴロウ〉にしよう」
―――Fin
…とまぁ、パチスロにまつわる恋愛ストーリーといえば、上記のようなものでありますが、趣味がきっかけでめでたくゴールインする可能性も十分にあるわけなのです。
そうそう、ゴールインといえば、こないだの日曜日に結婚式に招待されたのです。
結婚式って素晴らしいですよね。旨いものを食べ、お酒もグビグビと飲めます。そしてなにより感動的じゃないですか。その感動をね、写真におさめようと思い、気合いを入れて臨んだのです。
やっぱりね、結婚式と言えば「写真」じゃないですか。一生に一度…にしたい、記念すべき一大イベントです。メモリアル作品として、絶対におさえておきたい一品となるのです。
式が始まり、多くの参加者がコンパクトカメラでパシャパシャと撮っています。
「こっち向いて〜、笑って〜、ハイチーズ!」
とか言ってるんです。
私はそんな写真は撮りません。腐っても一眼レフをぶら下げた変態カメラマン。「笑え」と言って作らせた笑顔を撮るなどもってのほか。笑う瞬間、最高のシャッターチャンスまで根気良く待ち続けなければならないのです。
式場には、手配されたプロカメラマンが二人いました。一人は私と同じくらいの歳、もう一人はざっと50歳くらいのベテランの風格漂うカメラマン。そして、その二人に混ざるように、アルコール臭を漂わせた変態カメラマン。
私は、この二人に混ざりながら、またある時は場所取りを競い合いながら撮影をしました。シラフになって考えれば、あの二人にはとても迷惑をかけてしまいましたね。素人なのに、お仕事の邪魔をしてはいけませんよね。
式も後半に差し掛かるころ、会場の盛り上がりのテンションメーターはグングンと上昇していきます。私のアルコールメーターもそれに同調するかの如くうなぎ上り。
クライマックスが近づくにつれ、二人のカメラマンのシャッターにも熱が入っているようです。それを感じた私は、二人に負けじと走り回りました。
すると、その熱意を感じたのかどうかは分かりませんが、ベテランカメラマンが私に話し掛けてきたのです。
「このカメラ、使ってみる?」
そう言って差し出されたのは、どう見てもフィルムカメラ。プロフェッショナル向けの黒くてでっかいアレです。液晶などという現代テクノロジーを感じさせるものなど何一つない、神聖なる写真機械でした。
「ヒェ〜! そんな大層なもの、触ってはバチがあたります〜!!」
顔を横にブルンブルンと振りながら、丁重にお断りした数分後。
「このレンズ使ってみる? 良いよ、コレ」
そう言って差し出されたのは、どう見ても一級品の上等なレンズ。このようなアイテムなど、申し訳なさすぎて使うことなどできません。
その後も、アングルやシャッターチャンスについてアレコレと教えてくれました。周りから見れば、その光景は「先生と弟子」のように映っていたのではないでしょうか。
きっと、そのカメラマンは生粋の写真フェチなのでしょうね。ですから、この私の写真フェチ心とどこかで繋がって、いろいろと話してくれたんだと思います。おかげで、とても充実した撮影会、いや結婚式になりました。
やっぱり趣味は大切です。どこで、誰と結びつくのか分かりません。皆様にも、素敵な出会いの瞬間がありますように。
恋人が欲しい寂しいアナタ! そうアナタです!! 今夜から毎日「なんとかホール」でピカゴロウです!!
取材ホール/S市C:【CH】コンサートはしません
プレイ機種/ピカゴロウ:取材投資3,000円 回収0円 |
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