ほら、あなたの隣。
その彼が私かもしれませんね…


vol.26(06.11.10 UP!)

【東京 〜後編〜】

「東京」とか偉そうなタイトルを掲げていた割に、下らない話題になってしまった前編の記憶は今すぐに削除していただいて構いません。

さあさあ、これからが本番です。本番とかいうと、なんとも卑猥な響きですけど、そんなことはどうだっていいのです。不細工ギャルのパンチラくらいどうでもいい。


新幹線に揺られること2時間弱、いよいよ東京に到着しました。東京駅の大きさにビビりながらも、案内標識を頼りに目的の路線乗り場を必死に探す変態。キョロキョロと辺りを見回すその姿は、紛れも無く不審者そのもの。

しかし、町内一の方向音痴で有名な私は、周りの目など気にする余地はありません。このコンクリートジャングル「東京」で迷子になり、野垂れ死んでしまうかもしれない状況なのです。せめて布団の上で永き眠りに就きたいものです。


そんなこんなで、なんとか目的の●●線まで辿り着いたのですが、問題は「乗り換え」。田舎者である私にとって、東京の地下鉄はまさにミステリー。無数に絡み合う路線達はどれもこれも無機質で、余所者をせせら笑うかのように走り続けます。

「何線でどこそこ駅まで行って、そこで何線に乗り換えて何方面でどこそこ。」

何語?

そんな意味不明なお経は、私の脳みそに伝達するかしないかの境目を行ったり来たり。かろうじて伝達していたようで、なんとか乗り換えのための駅には到着したのですが、この駅も大きくて大変。30分くらい迷いましたね。いい歳なのに、ちょっぴり涙が出ましたもの。

約30分、ぐるぐると迷いに迷い抜いた結果、なんとか無事に東京の事務所に辿り着くことができました。しかし、ホッと胸を撫で下ろそうとする私に信じられない事実が…。

「例のプレゼン、3日後に延期。それまで東京滞在しとけ。」

東京出張というと、宿泊は渋谷のカプセルホテルというのが当社の習わしです。カプセルですよ、カプセル。寝るだけの小さいスペースがズラリと並び、食事もカップ麺しか備えられていないホテル。でもお風呂だけは素敵でしたね。なんたってサウナ付きですよ。まぁ熱くて入れないので、全く意味はないのですが。

このホテルで3泊もするのかと思うと気が遠くなります。せまい・うるさい・飯がない、のトリプル攻撃に耐えられるのでしょうか。しかも方向音痴な私は、知らない街を闊歩することなど夢のまた夢。せっかくの渋谷だというのに、ひきこもるしかないのでしょうか。

「ぐごぉ〜…ぐごぉ〜…ブピッ…」


渋谷の夜は更け、新しい朝がやって来ました。実はやることなど皆無に等しいのですが、とりあえず出社してみます。とはいえ、出張先なので私のデスクなんか無いんですけどね。体育座りですか。

「東京見学しとけ。まずは東京タワーだ。」

東京ビギナー卒業の為なのか何なのか皆目見当もつきませんが、とにかく指令が出ましたので生涯初の東京タワーへ行きました。すごいですね、東京タワーって。観光客もたくさんいます。五月蝿く走り回る小学生もたくさん。

今、私は東京の象徴「東京タワー」にいるのです。憧れの東京にいる実感が耳の後ろあたりまでこみ上げて来ましたね。展望台からの眺望は大変素晴らしく、パンフレットに書かれた名所を確認するたびに脳内では歓喜の声。

「おぉ〜、あれがヒルズってヤツですね。あっちはお台場ですか。」

皆様はとっくにご存知でしょうけども、この東京タワーには私がいる展望台の上に、「特別展望台」なるものがあるそうですね。ここは150m、上はなんと250mとのこと。さぞかし素晴らしい眺めなのでしょうね。

せっかく来たのですから、その「特別」な所へ上りたかったのですが、私の胸中にはある想いが巡っておりました。それは、「いつかビッグになって、特別展望台から街を見下ろす」という、何十年も使い古されたような夢。ビ、ビッグってアンタ…。書いてて若干恥ずかしいものです。

プレゼン延期のおかげで登る事のできた東京タワー。もちろん、帰り道に口ずさむのは「長渕」。のこ〜のこ〜と〜来ちまったけど〜、みたいな。



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