ほら、あなたの隣。
その彼が私かもしれませんね…


vol.53(07.05.26 UP!)

【友よ】

友達100人できるかな。


ピカピカに輝くランドセルを背負い、全校生徒数約700人の小学校へ通っていた頃。


どこでもそうだと思いますが、私の通う小学校の1クラスは40人近い生徒で構成されていました。

40人ってね、当時の私にとってはとんでもなく膨大な数じゃないですか。両手両足を駆使しても数えられません。隣の山本君に協力してもらえたからこそ、数えることができたのです。

40人はとてつもなく膨大に思えました。同じ班の5人の名前はすぐに覚えたのですが、クラス全員の名前ともなると、とてもじゃないですが覚えられません。あっ、でも女子の名前は全員覚えました、初日に。

もうね、女子全員の顔を舐め回すように見つめていましたね。良い・普通・イマイチ…と採点をしながら、脳内の高速コンピィターが「うぃ〜ん、うぃ〜ん、う、う…」と情報処理していたのです。

女子だけは担任の先生よりも早く覚えたという自負が、まだまだ私の胸には残っております。


でもね、この「舐め回すように見る」という行為がもたらす悲劇もあったのです。

毎日、帰る前に「ホームルーム」ってヤツがあるじゃないですか。当時は「帰りの会」って言いまして、言わばその日に起きた「良いこと・悪いこと」が発表される報告の場といった感じでしょうか。


「田中くんが廊下のゴミを拾っていました。すごく良いことだと思います。」

「そうですか。皆さん、田中くんに拍手しましょう。」

「え、えへへ」


最初の三日くらいは、こんな感じで「褒めよう、良いことをしよう」みたいな、良い子ぶりっ子全開モロン出しだったのですが、事態は急変していきます。


「やまさんが変な顔で見てきます。やめて下さい。」

「変な顔というのは、面白い顔ですか? それはひょうきんで良いじゃないんですか?」

「いえ、面白いんじゃなくて、目がおかしいんです。恐いんです、わたし!」


当時はあまり理解できませんでしたが、今なら明確に分かります。そう、泣き出した少女は「目で犯すな!」と言いたかったのでしょう。

そりゃそうでしょう、ニタニタした少年が目を怪しく輝かせながら延々と見つめるんですもの。トラウマでしょうね、きっと。


そんな経緯もあり、今ではすっかり「女性の目恐怖症」になってしまいました。女性との会話では、目を合わせることは一度もありません。

ただひたすらに下方向を見続け、ちょうどオッパイのあたりだけを注視しています。それはそれで、どうかと思いますけどね。




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