ほら、あなたの隣。
その彼が私かもしれませんね…


vol.77(07.12.01 UP!)

【海に呼ばれて(前編)】

私の住むS市から北へ約250km。岩手県のとある漁師町にやってきました。


(まさに漁師町。磯の薫りが漂っています。)


突然何を言い出すのか、と憤慨している読者様のために説明させていただきますと、実は私、生涯初の「船釣り」をするべく岩手県までやってきたのです。

このコーナーでもおなじみの登場人物「西氏(仮名)」の実家のお父様が船を所有しているらしく、私が「釣りをさせてケロ」と懇願した結果、今回の釣りツアーが実現したのです。

いやはや、ここまで来るのも大変でした。目的地が内陸ですと、トーホグ自動車道を走行することがベストですよね。その場合、250kmの道のりだって3時間程度で済みます。本物のパトライトをキュインキュインさせる覚悟があるのでしたら、たったの2時間ですよ。

ところが、前記のとおり漁師町を目指すわけです。バリバリの海、太平洋です。高速道路を利用しても、下道を通っても、ざっと5時間は要するのです。しかも今のトーホグは至る所で雪が降り積もっていると言うではありませんか。

出発前、このS市では雪が降っておりました。幸い、こちらでは積もるような事態には至りませんでしたが、県北方面は雪がしっかりと積もっていたようです。その情報にすっかりビビってしまい、小走りで黄色い帽子のお店に駆け込んだのでした。


「スタッドレス、くれ。」

「お客様のお車のおタイヤのおサイズですと、9万円と5千円ほどですね。」

「きゅ、きゅ、きゅうまんですって? ペソじゃなくて?」

「え、えぇ、日本円です。」

「な、な、7万円くらいにならないかしら?」

「うむむ、では……」


そう言いながら電卓を叩く店員。そっと私に見せた液晶表示には、75000の数字が鎮座しておられたのです。工賃も、古タイヤ処分費用も含まれてこの価格。奥さん、今が“買い”ですよ。


「ふむふむ、悪くないのぅ。では、よろしくやってくれたまえ。」


そうして、無事に車を冬仕様にし、待ち構えるトーホグ雪地獄に備えたわけなんですね。ところが、内陸には積もるほどの雪が降ったにもかかわらず、沿岸はあまり降らなかった模様。案外スムーズに進むことができました。




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