ほら、あなたの隣。
その彼が私かもしれませんね…


vol.78(07.12.07 UP!)

【海に呼ばれて(後編)】

(前週からの続き)

早朝6時。まだ陽は昇らず、暗くて寒い海にやってきました。

気温の測定はしておりませんでしたが、普段着ている防寒具などでは耐えられないほどの寒さ。S市では考えられないほどの凍てつく冷気に包まれていたのです。

西氏から拝借したスキーウェアに加え、冬用長靴の中には「靴用カイロ」なるアイテムまで装備。そうまでしなければ、温室育ちでヘタレ満開な私なんて、ものの数分で凍てついてしまうでしょう。

でも、現地の人間にしてみれば、この日はまだ寒くない方だとか。やはり北国、もっともっと寒い日があるらしいのですが、その時はなんと「七輪」を船上に積み込み、手を温めながら魚釣りをするというのです。

こんなこと、常人には考えられませんよね。そんなに寒い日は、コタツで「モバイル・エロティカル・ムービー」を楽しみながらフンガフンガしていた方が良いと思うのです。あっ、しまった、ここは人様のお家でした。とりあえずパンツはこう。


…大変失礼しました。とにかくですね、どんなに寒くても海に挑み続けるのです。まさしく海の男ですよ、ウミンチュですよ。昔、沖スロでもありましたよね、ウミンチュ。機械割は海で溺死しそうなほどに酷かったですけどね。

なんだか脱線してしまいましたけど、とにかくですね、ここまで命懸けで魚釣りに挑む人間の前で、半端な真似は決してできないわけですよ。寒さに耐えながらも、釣り方や針の装着方などの説明にも真剣に耳を傾ける変態紳士。しかし、針や餌に関しては私は全くの素人ですので、全て「西氏」におまかせでぬくぬくと釣りばかりしていたのですけどね。


準備も整い、いざ出港。



(港に停泊する船。)


どんどん遠くなっていく陸地。周囲には数隻の漁船とカモメの群れ。まだ見ぬ大物への期待にアレ、いや胸を弾ませ、沖へ沖へと進むのでした。やはり大物は沖にいるんですね。

ここ「Y湾」は、その名の如く「湾」になっているわけであります。小学校でも習ったことのある「リアス式海岸」ってヤツです。地図上で見ると、海岸線がデコボコギザギザな例のアレです。「湾」は陸地に囲まれているため波が穏やかで、至る所にホタテなどが養殖されておりました。



(沖へ出る前に日の出を拝みます。)


「沖へ出ると、波がすごいことになっているからな。」


湾内は陸地に囲まれているため波が穏やかなのですが、一度沖へ出ると、海の性格が一変してしまう、というのです。内心ビビってしまい、思わずアレがミニマムになってしまいましたね。あ、これは元からかも知れません。

そして、その言葉通り、沖へ出た途端に船はグラグラと揺れ始めます。でも、現地の人間に言わせれば、この日はまだまだ穏やかなものらしいのですが、私にとっては十分驚異なわけですよ。気を抜くと、喉元まで酸っぱいものが込み上げるのです。




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